シニア世代の朝食にパンが多いのはなぜ?
農林水産事業が実施した「食べること」への関心度、食生活の実態について行った消費者動向調査によると、60代以上のシニア世代では朝食にパンの割合が高いという結果が出ています。
調査によると、いつもの朝食について、主に何を食べているか、主食・主菜・副菜・その他のものに分けた回答において、主食では「ごはん」と「パン」の2品目で占められており、60代では「ごはん」より「パン」が多く、70代になるとほぼ同率となり、高齢者にとって、朝食はパンを選ぶ人が多いという結果でした。
シニア世代というと、朝ごはんは和食のイメージがありますが、実際にはパン派の方が多いということがわかります。
その理由として考えられるのは、日本人の食生活の変化があります。
和食よりも洋食を好む人も増えており、多彩な食生活が可能となった現在、ごはんにこだわることが少なくなったと考えられます。
また、ごはんよりもパンの方が調理が楽でありながら、和のテイストでも十分パンに合うという点も原因になりえます。
日常生活における「食べること」について高い関心度があるという結果も出ています。
若い世代は「おいしいものを食べること」として、年代が高くなってくると「栄養成分や機能成分への関心」、「いろいろな種類や味のものを食べることへの関心」に変化しています。
このことから、いろいろなグルメを楽しむ傾向が出てきたシニア世代にとって、パンは多彩なおいしい料理に合わせやすいということから増えているとも考えられます。
一日の食事回数についての調査でも、年代別では20代で昼と夜の2回が多く、朝食の欠食率が高くなっていますが、60代のシニア世代においては、8割以上のもの人が「朝昼晩の3回」と理想の食事回数を摂っているという結果でした。
このことからも、60代のシニア世代は、食事に対する関心が高く、昔のようにごはんに固執せず、おいしく食べることに重点を置いていると言えるでしょう。
20代はごはん派が増加中
対して20代の場合は、「ごはん」の割合が高いという結果が出ています。
ただし、上述したように、20代は朝食を抜く人が世代別で最も多くなっていることも注目ポイントです。
主食についての調査では、20代ではごはんがパンを大きく上回っていました。
60代のイメージとは逆であると言えます。
ごはんは「お腹のもちが良いこと」が理由とされています。
20代は大学生や社会人、いろいろな立場の人が朝から多くのエネルギーを消費する年代となりますので、お腹のもちを重視するようになった20代のごはん派が、年々増加する結果となっていると考えられます。
朝食も時代と共に好みや傾向が移り変わるということが顕著に表れた結果と言えるでしょう。