意識せずに使われているのでは
挨拶状には普段はなかなか使わないような難しい言葉が用いられることがある。
形式化されているようなものが多いのですが、そのためあまり意識せずに使っていることもあるだろう。
ここではビジネスシーンでよく見かけるけれども意味がよく分かっていない挨拶状の言葉について解説する。
挨拶状にはご盛栄という言葉が使われることがあるが、これは商売が盛んであることを意味する。
読みが同じ言葉としてご清栄というものがあるが、こちらの方は相手の繁栄や健康を喜ぶための言葉だ。
会社に対して送る手紙についてはご清栄という言葉を使う機会はあまりなく、ご盛栄という言葉を知っていればいいだろう。
ご高誼という言葉が使われることがあるが、これは親しい付き合いという意味である。
似たような意味の言葉には、友誼や交誼、好誼などがあるが、これらは友達付き合いにおいて使うものであり、ビジネスシーンには適さない。
ビジネスの挨拶状に使う言葉としてはご高誼が正しいため、きちんと覚えておこう。
特に目上の人に対して送る場合には、高誼を使わないと失礼に当たるため注意しよう。
ビジネスシーンで使われる言葉
お引き立てはよく見かける言葉だが、これはご愛顧とほぼ同じ意味でとなっている。
お引き回しという言葉があるが、こちらは先生や上司に指導してもらうことだ。
似たような言葉が多いため混乱するかもしれないが、正しい言葉を使うようにしたい。
略儀ながらという表現を手紙の締めで使うことがあるが、これは簡単ながらという意味だ。
また、略儀ながらと書中をもってを組み合わせて使うことがあるが、これは大切なことだ。
お手紙にてという表現で良いと判断する人がいるのだが、正しくは書中をもっての方なのだ。
ビジネスシーンで書くことになる挨拶状はプライベートな手紙とは分けて考えるべきだ。
たとえば、ビジネスの場面ではご愛顧やご高配、ご支援、お引き立てといった表現がよく使われる。
一方、プライベートの場合は、お世話やご指導、お心づかい、お力添えといった言葉を用いるだろう。
言葉というのは適材適所で使うべき場面と使わない場面がはっきりと決められているものが多い。
形式的にビジネスシーンに適した言葉を使っている方も多いだろうが、これを機会としていろいろな言葉の意味について調べることをおすすめする。
たとえば、部下に対して挨拶状の言葉の間違えを指摘する際に、自分がその言葉の意味について知っていないと恥ずかしい思いをしてしまうだろう。
若者の場合は言葉の間違いを許されるケースは多いが、シニアになってしまうとちょっとしたミスが命取りになりかねないのだ。
正しい言葉を使うことによって、ビジネスで失敗するのを避けることができるのだ。